私たち VESTは東京の墨田を拠点に40年余、
アパレル副資材の生産・販売を生業としてきました。

VESTの主力商品は織ネームです。

みなさんも衣服の襟や雑貨の隅に
縫い付けられた小さな布を
見たことがあると思います。
それが『ネーム』と呼ばれるものです。


数十年前、VESTは日本でほぼ唯一の
シルク糸で織ったネームを企画し、
高度な技術を持つ
福井県の某工場とタッグを組み、
自信作のネームを産み出しました。


ですが…
目まぐるしく変化するアパレル界
状況はどんどん厳しくなり
数年後に工場は廃業。

行き場をなくした
大量の高品質なネームが
倉庫で眠り続けていました。



月日が経ち、、、
VESTのフロア移動に伴い
新入社員が掃除中に
工場のネームの山を発見。

品質の高さに感動すると同時に、
『この素晴らしいネームは
もっと多くの人に見られるべきだ。
何とか魅力を伝えたい!』と
強く想ったことが
このプロジェクトの始まりです。


織りの緻密さ、テクスチャ、
糸の素材、織り組織、色…
片手に収まる小さなネームの中には
沢山のロマンが詰まっています。

コンセプトやデザインも
アパレルを熟知したVESTのデザイナーが
イチから生み出しました。

ようやく日の目をみることが出来た
VESTと工場の自信作。
是非、手にとっていただけますと幸いです。

“Orecle Deadstock” の織組織は
『平織』『朱子織』の2種類です。



1910年頃
イギリスより洋服を高級化することを目的に
伝承された織ネーム。

1911年頃
兵庫県尼崎市出身の寺岡氏が西陣の紋機と、
1台で同時に数巾を織る装置を
組み合わせた織機を考案したことで
手織機による織ネーム製造が開始。

1920年 -
手織機はすべて動力式に改良。
北陸地方では元来リボンの生産が
行われていたこともあり、
その製造経験を生かして、
いち早く織ネームの産地として発展。


1930年 -
軍需製品の需要が中心に。

1940年 -
アメリカから大量の注文が入り、
北陸地方全業者が受けても対応しきれない程の
大変好況な年代に。

1950年 -
織ネーム業界にとって好況と不況を
繰り返した波乱に満ちた年代。
わずか10年あまりの間に
織ネーム工場がおよそ5倍増加。
その影響で過当競争が表面化し、
生産秩序が乱れ、
混乱状態になり休業する業者が続出。

その上、織ネームに使われる
レーヨン(人絹)糸相場の暴落、
低迷も反映して業界全体が不景気に突入。

1960年 -
東京オリンピックの影響で景気が回復、
その後日本人の生活スタイルや
ファッションの欧米化が進んだため、
カジュアルスタイルが浸透して
ネームの需要は高まる。


またこの頃、一般家庭で酸性合成洗剤や
漂白剤が使われるようになったため、
それまでの織ネームの主流であった
レーヨンの多くは脱色等の問題が発生。

この事態に対処するため、
キュプラ、ポリエステルの原着糸を
使用するように。

これは、織り易さや価格面での
メリットだけでなく、糊付けの手間等の
デメリットを回避することにも繋がり、
近年においてもポリエステルを使用した
織ネームが主流となった。